おはようございます。鳥井修です。今日も引き続きラグビーについて。ラグビーパブリックより。
「すでに歴史を変えた。日本では2000万人がスコットランド戦をテレビで観たと聞く。そして、きょうの試合は秩父宮ラグビー場でもファンが観戦していた。すごく大きな変化だ。来週も勝って準々決勝に行きたいが、そうでなくても、すでにすばらしい成果をあげている。日本ラグビーの歴史を変えることができた」
10月3日、サモア代表を26-5で下したあと、日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチはそう言った。これまでラグビーワールドカップで1勝しかできていなかったチームが、2015年大会で2勝し、大きすぎる目標と思われたベスト8入りは実現不可能ではなくなった。
「イギリス人がこんなにたくさん日本のシャツを着ている光景を見たことがない」とジョーンズHC。勇敢なジャパンチームは世界中の人々をも熱くさせ、今大会の主役になろうとしている。
負けたらプールステージ敗退が決まってしまうサモア戦。日本はペースを握ってゲームを優位にコントロールし、テリトリーもボール保有率も支配した。そして、サモアのペナルティを招きこむこともできた。
「きょうは特にFWがセットピースを圧倒し、素晴らしかった。アタック、ディフェンスともファーストクラスのものだった」と、指揮官は選手たちを称えた。
リーチ マイケル主将は、「ずっとプレッシャーをかけ続けたのが勝因だと思います」と言った。「最初からアタックでもディフェンスでもプレッシャーをかけて、スクラムでもモールでも、80分通してずっとプレッシャーをかけ続けた」。
それによって、サモアは規律を乱した。3人にイエローカード。2011年大会の決勝でも笛を吹いた世界的レフリー、クレイグ・ジュベールさんのレフリングは、敗れたサモア代表のSOトゥシ・ピシも「一貫性があった」というほどフェアで、それにうまく対応できたことも大きかったとリーチ主将は振り返る。「どちらかと言ったらアタックに有利な笛を吹いてくれて、日本にとってはよかった。それに、日本は練習のときから規律をしっかり守っているから、そのクセが試合にそのまま出ているのがよかったと思います」。
日本はこの試合、4トライ以上を挙げてボーナスポイントも得られれば最高だったが、あくまでも勝利にこだわった。残り約12分という場面で21点リードしていたが、PGを選択。リーチ主将は次のように説明した。
「それまでにジャパンがアタックしていて、自分たちの足もちょっと止まってしまっていた。それに、まだ12分あった。サモアはどこからでもトライを取れるチーム。ひとつトライをしたら、その勢いで連続してトライを取ってくるケースもあるから、ショットを狙って、まず勝ちに行くというスタンスでした。そこで得点すれば、ボーナスポイントを取りに行くつもりでした」
この勝利の価値は大きい。
プールBでは日本を含む3チームが2勝1敗で並んだ。ボーナスポイント差で、勝点11の南アフリカ、勝点10のスコットランド、そして勝点8の日本という順番になっており、もし、最終戦でライバル2チームがともに勝てば、日本のベスト8入りは消滅してしまう。
しかし、ほかの試合のコントロールはできない。自分たちの戦いに集中するのみだ。
サモア戦の後半、WTB山田章仁がタックルに行った際にアクシデントで頭を蹴られ、担架で運ばれたが、彼は試合後、元気な姿で記者たちの前に現れており、心配はなさそうだ。ジョーンズHCは「彼はアカデミー賞でしょう」と言って笑い、「大丈夫そうです。脳震とうの心配はありますが、次のゲームは出られるんじゃないでしょうか」と、活躍したスターWTBの回復ぶりに安堵していた。
もしかしたら、10月11日のアメリカ戦は、エディーJAPANとしての最後の試合になるかもしれない。今大会後に退任が決まっている指揮官はこう言った。
「USA戦は、ワールドカップでのベストゲームにしたい」
一週間後、日本代表の選手、スタッフたち、そしてエディー・ジョーンズ ヘッドコーチの最高の笑顔が見たい。
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