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地方の雇用創出について
2015-01-11

おはようございます。鳥井修です。
昨日は新年の挨拶まわりをさせていただいた。夕方からは、顧問をつとめている少年ラグビーチームの新年会に参加、ラグビー談議に花が咲き楽しい時間を過ごさせてもらった。
さて、今日は地方の雇用創出について考えてみたい。

 

田舎で暮らしたい人は少なくないのに仕事がない。地方の雇用を支えてきた大企業の工場は海外に移った。どうすれば働く場を創り出せるのか。

 

岡山県西粟倉村。面積の9割超を森林が占める人口約1500人の過疎の村は、あえて森にこだわった。村や住民も出資した地域商社「西粟倉・森の学校」ができて5年。村は変わり始めた。

 

原木を切り、出荷するだけでは雇用は増えない。森林保全から製材加工、商品化、販売まで地域で担う仕組みをつくった。引っ越すときに持ち運べる間伐材の床タイル、木の香りが楽しめるデスクマットなど個性的な製品のファンがしだいに増え、2014年は黒字化がみえてきた
西粟倉の発想に引かれ、移住してくる人も。家具職人の大島正幸(34)は新人をほぼ毎年受け入れ、いまは5人を雇う。木工デザイナーや油製造販売、酒屋など多彩な起業家も現れ、約70人の働く場ができた。森の学校社長の牧大介(40)は「ローカルベンチャーの集積地を目指す」と話す。

 

農林水産物をつくるだけでなく、地域資源を生かして製造業やサービス業の領域まで踏み込む。こうした「6次産業化」を実現した経営は、地方でも大きな付加価値を生む可能性を秘める

 

愛媛県内子町。1994年にできた道の駅「内子フレッシュパークからり」は60人超の雇用を生んだ。人口はわずか約1万7千人の町で来場者は年間70万人。人気のワケは徹底した地域密着だ。

 

直売所の果物や野菜、ジェラートなどはすべて内子産。社長の大本茂樹(64)は「『すべて地元産』こそがアピール」とよその商品を一切受け入れない。農家の稲田由美子(60)が出した梨は農協経由の4倍の高値で売れ、来年分の電話予約まで入った。「稼げるから」と移住してきたIターン農家は20世帯近い。

 

多くの地方が東京への若者の流出に頭を悩ませる。ただ、内閣府の調査では都市部に住む20歳代の4割は「農林漁村に定住したい」と答えている。安定した仕事が増えれば流れは変わりうる。

 

山梨県北杜市。金融危機や一時の円高を乗り越え、創業14年で従業員を70人余りまで増やした製造業がある。レーザーの波長や方向を自在に変える結晶素材をつくるオキサイド。世界シェアほぼ100%の「グローバルニッチトップ(GNT)企業」だ。5年後は100人体制を目指す。

 

輸出大国のドイツでは規模は小さくて一般に無名だが、世界市場で競争力が高い製品をつくる約1300社が輸出の4分の1を占める。経営学者ハーマン・サイモンはこうした企業が最近10年で新たに100万人の雇用を創出したと分析する。

 

「地方では極めて有効なモデル」。三菱総合研究所主任研究員の吉村哲哉(49)はこうした「小さな世界企業」の育成が雇用のカギを握るとみる。経済産業省は日本のGNT企業100社を今年選出したが「推計で400~500社はある」。

 

GNTは知名度の低さゆえに人材採用に苦労することも多い。埋もれた地域資源を見つめ、付加価値を高める。地道な取り組みの先に突破口が見えてくる。